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なるこ君 オリジナルストーリー

土佐のよさこい なるこ君 土佐物語 第二弾 三章




《標準語 訳》
なるこ君が嬉しそうに家に近づくと突然扉が開き、やまももの花柄の着物を着て、
やまももの花の髪飾りをつけたなるこ君に良く似た女の子が「おかえり」と飛び出してきた。

なるこ君も「ただいま」と嬉しそうに返事をした。

「この子はボクの友達のなるるちゃんです」
と紹介するなるこ君に博士は

「可愛い女の子だねえ。なるこ君のガールフレンドかい?」

と耳元で囁くとなるこ君は照れくさそうに

「そうです」

と博士の耳元に近づいて返事をした。
そんなやりとりに気づいたかなるるちゃんは

「よく来てくれました。歓迎します」

と顔を綻ばせながらみんなに挨拶をしてくれた

一同は荷物をなるこ君の家に置き、表へ出ると楽しそうに思い思いのことをしていた。
なるこ君はなるるちゃんと一緒に踊りの輪の中に加わり、
すぐ横の小川ではしんちゃんが楽しそうに泳いでいる。

向こうではさはちくんを中心に猿からリスから大勢で
ごちそうを食べ、空では虹の中を出たり入ったりター坊が
かごにびんちゃんを乗せて飛んでいる。
その後を追うようにぶっちゃんもまた嬉しそうに飛んでいた。

しばらく歌って踊っていた博士と警部は、少し疲れたので何か食べようとテーブルについた。

「博士。ところでまだ聞いてなかったのですが、なるこ君はそもそも何者ですか」
「なるこ君は実は森の妖精じゃよ。わしも初めて聞いたときはびっくりした。
ずうっと昔は人間に見えない姿だったんじゃが、ある日神様に
『お前は歌も踊りも好きで人間とも仲良くできそうだからしばらく村へ行って
みんなを楽しませてくれんかな』と言われたらしいんだよ。
なるこ君が『はい、わかりました。でも神様。ボクは人間からは見えませんが』と言うと
神様が、『お前がいつも昼寝しているあの切り株を体にするか』と言われたそうな。

その切り株には赤や黄やら枯れて黒くなった葉っぱが落ちていて、その上でずっと寝ていたためなるこ君の体があんな色になったらしいんだよ」

「そうでしたか」
「村人たちとも楽しく仲良くしておったが、たまには森の仲間とも会いたいと神様にお願いをしたら、
『よし。じゃ、たまにはみんなを会いに行かせるよ』ということになってこうしてみんなで集まることになったらしいんだよ」
「そうだったんですか。あー、しかし500年も待つのはなるこ君も気が遠くなりますねぇ」
「あっ。それがわしら人間と彼らの500年はぜんぜん違うらしいんだよ。彼らの500年の大祭はわしら人間で言えば、オリンピックみたいなもんらしいんだよ」
「そうだったんですねぇ」

みんなの楽しそうに遊んでいる姿を見ながら、さらに博士は警部にこう続けた。

「わしはつくづくみんなに教えてもらったよ。
例えばさはちくんを見て思ったんだが、土佐の皿鉢料理は大人も
子どもも年寄りもみんなが仲良く食べられるように寿司もおかずも
羊羹もその全部を盛るだろう。その和の気持ちがさはちくんになったのではないだろうか。
人がいがみあってるところからは何も生まれんのじゃないろうか。
川や海を大切にしようと思う心が、ごんちゃんのかけた幸せの虹であり、
しんちゃんはずっとずっと川を守っていってくれるんじゃないろうか。
なるこ君と出会ってずいぶんいろんなことを教えてもらった。
なるこ君と会話してたら楽しい気分になってきて、一緒にいたらほっと癒されるんだ。
なるこ君はわしらみんなの天使なんだよ。
そしてなるこ君は友達と一緒に歌って踊ってすることが
さらにみんなを幸せに導いてくれてるんだと。一人で歌って踊ってもなーんにも楽しくないだろう」
「そうですね。そうかもしれませんね。じゃ、博士。私らも楽しく歌って踊りましょう」
「そうだなあ。わしはすごく幸せな気分になってきたよ。久しぶりにはりまや橋へ行って
土佐のよさこい鳴子踊りをみんなで踊りたくなってきたんじゃ」

そう言って二人はきらきら光る虹の下を歩いて、踊っている輪の中へと入っていった。

-終-

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